労働保険年度更新の時期が近づいてまいりました

毎年6月1日~7月10日は労働保険料の年度更新の提出時期です。
一部の適用除外を除き、大企業、中小企業、個人事業主などを問わず、多くの企業がこの手続を行います。
期限が40日間と長いため、まだ時間があると思い、ついつい先へ伸ばしがちですが、
6月は住民税の年度更新と重なったり、7月になると算定基礎届の提出もあるため、
できれば5月中に集計や保険料計算までを済ませた方が良いですね。


問1 労働保険の年度更新とは?
企業が年に一度労働保険料を申告し、納付することを労働保険の年度更新といいます。
「労働保険」とは保険の総称で、「労働者災害補償保険(通称:労災保険)」と「雇用保険」の2つから成り立っています。
見込み賃金を基に、労災保険料と雇用保険料を算出し、労働基準監督署や都道府県労働局、または金融機関などで申告・納付を行います。

問2 労働保険料の計算は?~確定保険料と概算保険料~
労働保険の保険料は、毎年4月1日から翌年3月31日までの1年間を単位として計算されることになっていて、
その額はすべての労働者(雇用保険については、被保険者)に支払うであろう見込みの賃金総額に、
その事業ごとに定められた保険料率を乗じて算定することになっています。これを概算保険料といいます。
また、前年度に概算保険料として納付した労働保険料について、賃金総額が確定した後に正しい保険料を計算し精算(還付または追加支払い)することを確定保険料といいます。

問3 賃金総額とは?
賃金総額とは、事業主や法人役員など労働保険に加入できない人の分の賃金を除く、
全ての従業員に支払った賃金の総額のことを指します。
ただし、従業員に支払った額のうち、退職金や見舞金と行った一時金は賃金総額に含まれません。
その他にも、賃金総額に含まれるもの、含まれないものがありますので注意が必要です。

【賃金総額に含まれるもの】
基本給
賞与
通勤手当(非課税分を含む)
定期券や回数券等
残業手当、休日手当、扶養手当、家族手当、子ども手当、住宅手当、奨励手当、休業手当、単身手当、
物価手当、調整手当、特殊作業手当、技能手当、単身赴任手当、教育手当、地域手当、深夜手当 など
労働者の負担分を事業者が負担する場合の雇用保険料、その他社会保険料
前払い退職金(労働者が在職中に退職金相当額の全部や一部を給与や賞与に上乗せして支払われるもの)など

【賃金総額に含まれないもの】
役員報酬
結婚祝金、死亡弔慰金、災害見舞金、私傷病見舞金、退職金(退職時に支払われるものや、事業主の都合などによって退職前に一時金として支払われるもの)
出張・宿泊費
休業補償費、傷病手当金
会社側が全額負担する生命保険の掛金 など

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