定年延長するなら役職定年制を厳格に運用しなさい

企業の高齢化が凄まじい

「この会社の10年後はどうなっているのだろう?」  

ふと、ご相談を受けていて疑問に思うことが多いです。2021年 日本の平均年齢は49歳。世界一の高齢国です。それに呼応して、65歳定年延長、70歳まで原則継続雇用をしようという機運があります。今年、制度設計のご相談もたくさんお受けしました。これから多くの中小企業で起こることは、30歳―50歳未満の中堅幹部がゴッソリ抜けることです。70歳の社長と60歳代の幹部ばかりになり、活力のない企業になることも珍しくなくなるでしょう。  

決算書に表れない資産

幹部人材の若さ、これは極めて重要な決算書に表れない要素です。少なくとも役員、部課長、つまりリーダーは気力・体力・変化対応力がある心身ともに若い人でなければならない。年功を重ねたら、マネジメント能力が身につくかといえば、全く関係がない。逆にいま、日本企業、特に中小企業でおじさん管理職の劣化が甚だしいと感じます。  

特に「役職定年制」は大切

10年に1回かならず組織の膿出し、新陳代謝を促さないといけません。これは社長にしかできない社長の仕事です。「彼はまだ育っていない」「ウチには人材がいない」などいろいろと言い訳をして役員・幹部の承継が進まない会社があります。しかし、私はまずルール(役職定年制)を作ることが大切だと申し上げたい。

例) 課長57歳、部長60歳 等  

大義名分がないからいつまでも義理・人情に流されてしまうのです。もし、その課長が優秀であれば部長にすればいいですし、部長が優秀であれば執行役員や取締役にすればいいのです。逆に50歳を迎えたが「部長にするにはどうも力不足だ」という人材は、たとえば特別職(シニアマネージャー)としてその方に合った役割を与えて処遇します。  

戦う組織は常に若くなくてはならない

DX化なども含めて年配の人の優位性が著しくなくなっています。特に本も読まず、学びのアップデートなく、日々の仕事をこなすだけで年をとったおじさんにマネジメントなどできるわけがないのです。できているように見えても実はたくさんの問題を抱えているものです。

若い人を採用する、若い人に仕事の機会やポストを与える、支援する、適切な研修をする、評価する、承認・フィードバックする、こうすることでしか若い人を定着・育成できないのです。  

私は万人規模の従業員データと業績を把握できる立場にありますが、役員・幹部が皆60歳以上、かつ従業員全体の平均年齢が45歳を超えてくると業績は例外なく年を追うごとに下降していきます。いま、苦しくても若い人を雇用・育成し、踏ん張っている会社は必ず勝機があります。若い人がいる、若い幹部がいることそれ自体が差別化要因となっていくに違いないからです。  

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