中小企業のハラスメント事情①(セクハラ編)

なぜか、昨今、セクハラ・パワハラが頻繁に起こる。ご相談が毎週絶えない。

セクハラはなかなか気を使う。セクハラは男女雇用機会均等法上、しっかり定義されている。性的言動によって相手が「嫌だな」「不快だな」と思わったらセクハラが成立する。つまり、個人の内心の問題でセクハラとなる。

気に入っている上司から「その服、似合っているよ」→「キャー、嬉しい」

 → 単なるコミュニケ―ション

気に入らない上司から「その服、似合っているよ」→「キャー、キモい」

 → 残念ながらセクハラ

セクハラだ!と女性に言われたら、原則セクハラが成立する。セクハラではないということは男性側が証明しなければならない。合意のうえだった、というのはまず通用しない。

人気アイドルグループの一人が酒を飲んで、一緒に仕事をしている女子高校生に対するわいせつ行為で刑事事件を引き起こした。そう、酒の席が最も危ない。もちろん、性犯罪とセクハラは異なる。しかし、過去に、日頃は仕事もできて紳士なのに、酒で失敗した(セクハラを起こした)人を複数人見てきた。社内不倫でその資質を問われ、出世コースから外れた人も少なくない。

中小企業の場合、一人の幹部候補を失うことは大損失で取返しがつかないので、もしその幹部候補が”やらかした”場合、上手に女性側をやめさせて、隠蔽にも似た始末をしようとすることがある。でも、これはまずうまくいかない。社内で知る人は知っているし、また、その人は再び時を経てさらに大きな事を”やってしまう”のだ。どこかで、大きな代償を払わせない限り。

女性問題が武勇伝となって受け継がれるのは、松下幸之助クラスだけ。私たち凡人は一度のミステイクが命取りになる。社長・幹部も含めて。

また、女性部下とのラインやメールの交換。これもセクハラを助長する「土台」「インフラ」となる。私は仕事柄、上司が部下に送ったライン・メールとは思えない、キャバ嬢か風俗嬢の送るような内容の文面を過去にたくさんみてきた。これもプリントアウトされ、後に残る。

直雇用の社員が、派遣社員にセクハラをする。これも誠に多いケーススタディー。

つまり、パートナーとしてではなく、部下を異性として見ることに加えて、公私の区別が曖昧となったときが一番危ない。

日常の労務相談を受けていると、どこが危ないか、何をしてはいけないか、日頃から会社は社員に教育しておく必要があると強く感じる。

福田秀樹プロデュース「セクハラ・パワハラ研修」を1回に限りスポットでお受けすることができます。ただし、京阪神に本社を有する企業に限らせて戴きます。よろしければぜひ!

目次