転職サイトへの削除要求をやってみる 2022 10/03 労働法務 2019年6月4日2022年10月3日 「セクハラ・パワハラが横行」「サービス残業が当たり前」「この会社には将来がない」「経営者は無能で、幹部はバカばかり」「社長の奥さんが・・・」 転職サイトの投稿は明らかに悪意があり、会社や社員の名誉権やプライバシー権を侵害すると思われる内容が少なくない。転職サイトの最大の問題は本人確認ができないことだ。匿名なので”なりすまし”でその会社の実情を知らない人(たとえばライバル会社)の投稿も十分ありえる。 また、転職サイトの運営会社は法人向けに採用サービス等を提供しながら、一方でその法人の権利を侵害する行為を助長している、私はこれが許せない。 目次転職サイトに誹謗中傷が記載されると、採用候補者への悪影響は大きい。 転職サイトは金融機関や取引先も見ている。行政も見ているなどの話しも聞く。 私のクライアントで影響を受けた問題となるサイトは以下である。 ①みん就 新卒の口コミサイトの老舗 現在は楽天が運営 ②就活会議・転職会議 リブセンスが運営するサイト ③カイシャの評判 エン・ジャパンが運営。転職向け ④VORKERS ヴォ―カーズ社が運営する転職向けサイト ⑤キャリコネ グローバルウェイが運営。給与明細そのものが載せられている。 まず、上記のサイトをチェックする。削除の要件(根拠)は、名誉権等の人格権が違法に侵害されていること。「裁判」以外の削除要求はすべての任意の削除要求という。弁護士名で行うこともできるし、自社名で行うこともできる。法的な強制力はないが、権利侵害の理由や証拠を提出することで、解決する(削除される)ことも多い。 まず、自分で削除を要求する書式は 「侵害情報の通知書 兼 送信防止措置依頼書」を送付(郵送)するWEB上での申請フォームに記入すると「侵害情報の通知書 兼 送信防止措置依頼書」がつくられる仕組みになっているサイトから申請する。 それほど難しい手続きではない。 侵害された権利・権利が侵害されたとする理由を具体化し、まずは削除要求をしてみる。書き方などは顧問の弁護士の先生がおられるなら、相談にのってもらうといい。全く誠意のない対応の場合は法的措置もありえる。 もちろん、過去に長時間労働が蔓延していた会社、反省すべき労働条件や企業風土であった会社もある。 人間だって黒い過去があったりするでしょ。でも、努力され、ずいぶん改善されているのに、ずっとネットに過去の不備をさらされ続けているのはどう考えもおかしい。 事実でない内容・名誉権等を侵害するネットの内容は放置すべきでない。いま、ネットで生かされ、ネットで殺される時代なのだ。 労働法務