先生、良いシステム紹介してください!HRテック業界に思うこと 2025 9/12 社長のQ&A 2025年9月12日HRテック業界 弊社は労務事務・給与計算アウトソーサーとして、実にさまざまな労務系システムに直面します。具体的には、給与計算システム、社会保険労働保険システム、勤怠システム、社員からの書類等の回収システム、タレントマネジメントシステム、WEB明細システム、年末調整システムなどです。これをまとめてHRテック業界と呼びましょう。関連するものは、日報、スケジュール管理、交通費精算システムなどさまざまなものがあります。 お客様から依頼を受けて、数え切れないくらいの上記HRテック業界に属するITベンダーの在宅勤務の若いお兄さん・お姉さんのワンパターンの営業面談(WEB)に参加を余儀なくされました。システム選定のときのWEB面談、本当にヘトヘトになりますね。有名なシステムが良いシステムではありません テレビCMなどもやっていて非常に有名なシステムなのですが、絶対やめておきなさいというシステムもあります。コスパの合わないシステムもあります。マーケティング・広報活動がうまい会社が必ずしも優れたシステムを提供していないのです。また、全く営業経費をかけていないが口コミで広がる優れたシステムもあるのです。不得意分野に手を出して陣取り合戦、ユーザーの利益につながっていない HRテック業界は陣取り合戦をしています。たとえば、タレントマネジメントシステムの会社が、給与計算システムや労働社会保険事務システムを取り込もうとシステム開発をします。しかし、タレントマネジメントシステムはそこそこ使えるが、給与計算システムは「誰が使うねん!」というポンコツの極みのような不完全なシステムなのです。 HRテックの会社は、上場企業もあれば、上場準備中の企業も多いです。共通するのは、成長戦略を余儀なくされるように見えます。得意でない業域にもどんどん進出します。給与、労務、勤怠、タレマネ、回収領域に手を伸ばし、顧客を囲い込むために陣取り合戦します。その結果、2つ~3つのシステムを導入すると、必ず機能のカニバリゼーションを起こします。ムダが多くなります。人事統合パッケージシステムなどもありますが、出来がよくありません。統合はされていますが、一つひとつの出来がよくないのです。結果として、ユーザーファーストではなくなっていると思わざるを得ません。ITベンダーの営業の言葉は信じない システム導入を決める際に、絶対に「実際に使っているユーザーの声」を直接聞いてください。ホームページの、喜びと感謝の声(主に大手有名企業)に惑わされないことです。実際に使っているユーザーに訪問させてもらい、使っている現場やシステム動作を確認しにいってください。経営者の悩みは、カネの悩み、ヒトの悩み、そしてシステムの悩みなのです。導入したがダメだったという事象が本当に後を絶たないのです。先生、良いシステム紹介してください 「先生、良いシステムを紹介してください」と言われることがあります。正直なところ、一択でこれにしなさいというものがないのです。どのシステムも、サポート体制を含めて「一長一短」なのです。ですから、「何を重視されるか」「何を我慢できるか」「いまどんなシステムを構成して活用しているか」という、個社事情抜きしては語れないのです。 ただ一つ、私はシステムを見るときにそこにいる人を見ます。会社・経営トップの姿勢を重視しています。事業意欲と両立したクライアントファーストの姿勢があるかどうかです。導入すると簡単に変更できないのがシステムです。経営トップの姿勢は、長期的なお付き合いに必ず影響します。実は過去に私も痛い思いをしているのです。 社長のQ&A