2025年の昇給どうするか?

昇給率の動向

中小企業の昇給(基本給)は、
2022年  1.9%(3,500円)
2023年  3.3%(6,000円)
2024年  4.1%(8,349円)
が相場感でした。

2022年以前は、ベースアップはほぼないに等しかったので、大手企業も2%かそれ未満という状態がずっと続いていました。

さて、2025年はどのような昇給相場を予想されるでしょうか。

昇給作業3タイプ

ご相談にのらせていただいていて、会社には3つの類型があると感じます。

【積極型】社員200名前後以上、平均年齢は30代、新卒採用をやっている、中長期の経営方針が明確で会社は成長している、地元だけでなく、都心部に支店などがある。

【通常型】100名前後未満、平均年齢は40歳程度、新卒採用はやっていない(あきらめた・・)、利益はそれなりにでている。地元密着。若い人の採用に大変苦労している。

【縮小均衡型】平均年齢は45歳以上、幹部の高齢化が激しい。60代・70代の人が定年を過ぎても普通に勤務。40代以上の人の定着率は異常に高い。仕事が完全に属人化している。若手は入ったらスグにやめていく。10年後が見えない。後継者も特に定まっていない。

【積極型】は、新卒初任給や30代前半くらいまで大手企業や中堅企業に息切れしながらもくらいついていく層です。ですから、強烈な賃上げ圧力があります。
【通常型】は、2023年、2024年に【積極型】と同様に思い切ったベースアップをやっているところが多いです。
【縮小均衡型】も、若い人は入っては来ないものの、物価が上がっているので少なくとも2022年以前よりも多めに昇給されているとは思われます。

2025年の昇給どうするか?

マクロの統計やシンクタンクの●●リサーチ●●チーフストラテジストの先生の意見は無視して、2025年の昇給を、私の肌感覚で申し上げますと、
【積極型】は、一般的に若手・中堅の割合が高いので4%を予想します。
【通常型】は、中高年の比率が高まっているので3%前後を予想します(年齢構成によります)。
【縮小均衡型】は、福田事務所に相談される会社もないので存じ上げません。
ポイントは、人手不足が深刻で賃上げ圧力が継続して高まっていることです。一方で、すでに2023年、2024年に1万円以上のベースアップをしている会社が大半です。ですので、今年の昇給がそれよりもやや下がると予想します。

社員の昇給率は3%であっても、パートの昇給率は4%以上は確保必須

石破総理が2020年代に最低賃金1,500円を実現するという公約をかかげています。簡単な算数で、最低賃金全国平均は1,055円ですが、1,500円にするためには毎年7.25%アップしていくことになります。また、パートタイマーの求人を出してもサッパリ応募がないのは皆さんのご苦労の通りです。政府の統計では「働こうと思えば働ける人」の数が過去最低です。とにかく労働力が足らないのです。労働集約的ビジネスは根本発想を見直す時期に来ています。

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