人事評価制度整備の成功のコツは?

(評価制度バブル)

いま、働き方改革関連で「評価制度バブル」が起こっています。政府も生産性の向上をねらって、「人事評価制度等改善助成金」などにより、人事評価制度を中小企業にも入れようと政策誘導しているくらいです。

過去に成果主義の人事制度が導入された経緯と同様です。過去は年齢や勤続ではなく、成果が重要だ、成果を出した人が報われるようにすれば成果が出るだろう、でした。その結果は散々なものであった事は皆様もご存じの通りです。

今回も労働時間ではなく、労働生産性だ、従業員の生産性を評価すべきだ、そうすれば生産性があがるだろう、です。過去のデジャブです。評価制度を充実させても労働生産性などあがりっこないと思いませんか。労働生産性指標の構築、労働生産性の評価そのものが難しいですよね。

(カリスマ経営者でも、満足いく人事評価制度はつくれなかったー)

ヤマト宅急便の創業者である小倉昌夫氏、京セラの創業者である稲盛和夫氏、共に超・一流の経営者ですが、このお二方でさえ、「客観性・公平性のある人事評価制度をつくろうと思ってチャレンジしたが叶わなかった・・・」とおっしゃっています。

ですから、私たち凡人がバッチリうまくいく制度を初年度が導入する、そんな事は夢物語りであると思ったほうがいいでしょう。

著名な人事コンサルタントであっても、どこかの会社でうまくいった「型」をもとにコンサルティングを行うのが一般的です。残念ながら、その「型」が自社に適合する確率はあまり高くありません・・。

(人事評価制度整備の成功のコツは?)

人事評価制度整備の成功のコツは何か?と聞かれれば、私は「失敗しないこと」であると思います。失敗の原因は何かといいますと、そもそもの人事評価制度の目的をはき違えることです。基準づくり→正確な測定→フィードバック→処遇反映、このいわゆる「専門家」という人たちがあたかも正しいかのようにふりまわす論理に惑わされていけません。人事評価制度の目的は客観性・公平性を追求することではなく、「社員のパフォーマンスの向上」や「良質な職場づくり」にあるはずです。立派な人事制度をいれて会社がよくなったという話は聞いたことがありません。人事評価制度や報酬制度の最終工程でホームランを打とうとチャレンジすればするほど、上記の上流・前工程の不備があればなおさら、「部分最適」の典型例にようになります。つまり、経営には有用でないばかりか、「こんな人事評価制度はやっても無駄だ!」「複雑すぎてわからない」という結果に陥ります。つまり、人事評価制度が、実にシラケた「茶番」に成り下がるのです。

失敗しないコツは、客観性や公平性をなんとか担保しようと、一生懸命になって目標管理をいれたり、360度評価をいれたりして、この分野でチャレンジはしないことです。チャレンジしなければ失敗がないからです。ホームランを打とうとして、大振りしないことです。直観的にうまくいくかわからないものはやらないことです。

では、従来の考え方のいわゆる立派な人事制度にかわるものは何か、どんな考え方で、どんな制度づくりをすれば良いのか?についてお悩みの企業様はぜひ福田事務所の門をたたいてみてください。

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