日割計算における月額変更について

月額変更(随時改定)とは、昇給・降給等の固定的賃金の変動により被保険者の報酬が大幅に変わったときに、定時決定を待たず標準報酬月額を改定する手続きです。
しかし月額変更に該当するケースは様々にあるため、見落としやすい手続きの一つです。

以下のケースは、「日割計算」が行われた場合の月額変更です。

Q 例えば、給与が20日締め月末払いの場合で、4/1に昇給。4月末払いの給与で昇給分を日割り計算して支給した場合の月額変更は何月から?

A この場合、4月ではなく5月が変動月となり、5・6・7月の報酬額平均で2等級以上の差が発生した場合に、8月より標準報酬月額の改定が行われることとなります。昇給額が1か月分完全に支払われた月を変動月とし、変動月から3か月間を月額変更の基礎としています。
※参考:「昇給・降給した給与が実績として1ヶ月分確保された月を固定的賃金変動が報酬に反映された月として扱い、それ以後3ヶ月間に受けた報酬を計算の基礎として随時改定の判断を行う」
(日本年金機構 標準報酬月額の定時決定及び随時改定の事務取扱いに関する事例集より)

月の途中で交通費が変更になった場合等も上記例と同様です。

【月額変更の3要件】
(1)昇給・降給などによる固定的賃金の変動
(2)変動月以降3か月間に支払われた給与(残業手当等の非固定的賃金を含む)の平均額の等級とこれまでの等級を比べ2等級以上差が生じる
(3)変動月以降3か月間とも支払基礎日数17日以上(特定適用事業所に勤務する短時間労働者は11日以上)

お使いの給与ソフト等を完全に信用することは、見落としによる手続き漏れにつながるため危険です。
対象月の賃金台帳等を、給与担当者自身で確認することが大切です。

   

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