中小企業に最も必要な教育制度とは? 2022 10/03 教育・指導 2021年3月29日2022年10月3日 一般的な教育制度 OFF-JTは優先順位が低い 中小企業の社員は勉強が嫌い、とにかく座学や宿題が出るなどは最も嫌いだ。研修中は眠るのも得意だ。勉強が好きなら、大手企業や役所に行っているだろう。でも、勉強なんて仕事とは関係ないからそれでも全く良い。 ご存知のとおり、教育制度と言えば、OJT(仕事を通じて学ぶ)、OFF-JT(座学やWEB講座で学ぶ)の2つに区分される。実はOFF-JTのほうはあまり重要でなくて、学びたい意欲のある人だけその「OFF-JTの機会」を与えることで足りる。逆に意欲のない人に無理やり呼び出して研修を受けさせてもほとんど効果がない。教育制度といえば、OFF-JTの仕組みだが、意外と優先順位は低い。 中小企業に最も「教育効果」が現れる仕組みとは? その① 環境整備 伝説の経営コンサルタント 一倉定先生は「環境整備には、いかなる社員教育も、どんな道徳教育も足下にも及ばない」と言う。私はこの言葉を30歳くらいのときに知った。そのときに「ホンマかいな。掃除してなんで社員教育なん?」「勤務中にそんなことして・・・」と当時全く信用していなかった。でも、あれから数百社の会社と出会い、栄枯盛衰を嫌というほど見せつけられた。そして、この環境整備がなぜ、最高の社員教育なのか、おじさんになった今、確信と理屈理論をもって説明できるようになった。 その② 挨拶の徹底 挨拶が素晴らしい会社にボロ会社はなかった。建物はボロくても挨拶が素晴らしいと会社の中身は例外なく素晴らしかった。業績が良いから挨拶がいいのではない。挨拶を徹底する社風があるから業績が良いのだ。挨拶が業績をつくる理由については、環境整備と同様に理論的に説明が可能だ。挨拶の徹底、自分のコンディションがどうであれ、相手を思いやる挨拶が何時でもできる社員を育てることが最高の社員教育なのだ。 その③ ベンチマーキング ベンチマーキングとは優秀企業を模範として学ぶことだ。すごい会社、あるべき姿というのを実際に見て、刺激を受ける。まさに百聞は一見にしかず。もちろん、社長の経営方針・経営計画がしっかりとしていて、この方針・計画を実現するために企画するという前提が必要である。 社員は経営者に比べ情報がなく、視野が狭い。だから、トップレベルはこうなんだよ、こうなりたいよね、という理想像を共有する。そして、取り入れるところからどんどん取り入れる。既に業界のトップ企業は異業種から学ぶ。 最近はオンライン企業訪問・オンライン社員交流なども簡単にできるようになった。是非皆さんもまずは同業の優秀企業で利害関係のない友人の企業に頼んでみて下さい。 中小企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)も、このなんとも地味で、はやらない「環境整備」や「挨拶」の土台がないとうまくいかない。すべて人間がやることで、人間の本能や業の問題に行き着くからだ。 教育・指導