コロナ禍 2020年夏季賞与はどう判断するか?

(見通しは過去に例のないほど悪化する前提で)
ローカル大不況→世界的デフレ大恐慌→金融危機→財政破綻・・。

SBも投資不適格(BB)に格下げされました。SBがダメになれば某M銀行もダメになります。銀行はいきなり何の前触れもなく潰れます。支店長クラスも新聞報道で知るようです。ですから、まずもって必要なのは借りられるだけお金を借ります。お金がまわれば潰れません。今年後半は銀行の態度が一変する可能性があるからです。銀行の態度の変容は社長様方が最も身に染みているはずです。CF第一に考えざるを得ない時期です。

目次

賞与についての考え方

1 賞与の本当の役割は?

賞与というのは半期毎の利益還元であると言われます。これはタテマエで現実は違うと思います。ホンネでは賞与は年収調整弁なのです。月例給与は高度の必要性と合理性がない限り下げることができません。もともと盆暮れの帰省費、正月のモチ代からはじまり、経済成長を遂げた結果、賞与を年収調整弁として昭和の時代から用いてきたのです。 しがたって、年収720万円を支給したい社員がいたとします。このような場合、月給60万円×12とするとそれを下げることができません。それを回避するために、たとえば、月給42.5万円×12=510万円(月給合計)と賞与(約5か月分)210万円と区分しているにすぎません。ですから、業績が悪い(たとえば、営業赤字)ときに、それと連動して賞与をゼロにするというのは極めて違和感があるのです。 逆に、業績にかかわらず、給与に見合った働きぶりがみられない社員には賞与は大幅減額すべきなのです。

2 査定期間(算定対象期間)をどう考えるか?

 賃金規程によくある記載はこのようなものです。(私はこのオーソドックな規定自体が実体とは異なっているとかんがえています。) 会社は、会社の業績により年2回、7月と12月の会社が定める日に賞与を支給する。ただし、会社の業績及により支給時期を延期し、又は支給しないことがある。

2 前項の賞与の算定対象期間は次のとおりとする。 支給月 7月 算定対象期間 前年12月1日から当年5月31日 支給月12月 算定対象期間 当年6月1日から当年11月30日

上記の例に従うと、特に製造業であれば、急な業績悪化は5月後半からである、という例もあります。建設業などはまだそれほど影響を受けていません。逆に2019年12月1日から2020年5月31日は前年同期と比べて「売上・利益ともにプラス」であったなども当然にありえます。そうであれば、去年並みに業績見通しを若干添えて(つまりマイナスして)支給します。 しかし、飲食・サービス・小売・卸・・、去年並みとはまずいかないです。

3 今年の夏の賞与はどう考えるか?

以上から、私は以下ように考えます。

  1. この営業年度に赤字が見込まれるなら、賞与は前年の半額程度とする。業績の落ち込みがそれほどでないのなら、通常通りだしてあげる。
  2. その代わり、「冬季賞与は期待しないでほしい」と今から告知しておく。
  3. 中小企業の場合、業績悪化の度合いによるが、年収の一部として生活費として組み入れられているので、「ゼロ」は回避する。雇用調整助成金を受給しながら支給するのも変ですが、賞与は単なる年収調整弁なのですから、「ゼロ」は厳しすぎるのです。

それと同時に考えることがあります。

コロナ禍は長期化が想定されます。しかし、賞与ゼロが2年続くと会社が少しおかしくなります。2020年の冬季賞与はゼロでも仕方ない企業が続出するでしょう。しかし、年俸制でもない限り、賞与は年間最低2か月以上出せる経営をしないと優秀な人材が離れていきます。3年以上賞与がない場合、残るのは40代以上で他に行くところがない人ばかりとなります。上記が予見される場合、賞与を年間2か月分出して利益が出るよう、雇用調整(人員整理)をしなければならないということです。

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