二流の人事給与制度の特徴とは?

人事給与制度にも「二流感」が漂っている制度とそうでない制度があります。「二流以下」の人事給与制度のチェックリストは以下です。会社は素晴らしいのに、なぜか「二流の制度」を採用してしまう事例が後を絶ちませんので残念に思っています。

1.評価項目毎に点数化して、●点~●点までがAなどと評定を決定している。

2.1ではないなら、A:20%、B:60%など相対評価のルールが明確である。

3.評定ABCによって昇給額が決まることが明確になっている。

4.評定ABCが社員にフィードバックされている。

5.人事担当者が人事評価表や評価基準をこねくり回している。

6.役員等が最後に評価を変えざるを得なくなっている。

7.6の事情より、中間管理職が人事評価にシラけている。

8.管理職になれない人を「専門職」と称しているが、専門職の役割が不明

9.目標管理制度で「評価」が決まっている。

10. コンピテンシー(仕事のできる人の行動特性)を評価基準に使っている

上記は実は、人事コンサルタントと称する人の指導の常識と言われる項目です。一流で優秀な会社なのに、上記の「二流の制度」を採り入れてしまう悲劇が後を絶ちません。

でも、優秀な会社は、「これ、なんか違うよね」と悟って、当該制度を機能不全にしてしまうか、やり過ごしてしまうか、とちからの選択をされます。これがまともな会社です。

昭和から平成一桁の時代、男性社員は時間が無限にあって、24時間働けますよという無制約な働き方をしているのが常識でした。しかし、今、それは非常識となっています。労働の質が変化し、短時間で質の高いアウトプットをすることがスタンダードになっています。

同様に、人事評価や給与制度の世界でも、昭和から平成一桁の常識をそのまま引きずって、上記1~10の地雷を踏み続けています。こんなことをしていたら、労働生産性は上がることはまずありません。

では、AI・働き方改革・人出不足時代において、次に来る、労働生産性を高める人事給与制度はどのように作ればよいか。

まずやることは、従来の発想で執筆された、巷の人事給与関連の書籍を古本屋に売ってしまうことです。ITやクラウドを使って、評価制度を導入する業者もありますが、根本思想が時代遅れなので、それがうまく機能する事はまずないでしょう。かっこいい人事制度ほど、中身は二流の割合が高い、そんな風に感じています。

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